Rakko

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「命の日々」

ETSUKO
君は面会謝絶の部屋の中
病は、日々君を侵し続ける
助かることのない病が
婚約者の祈りもむなしく

でもETSUKO
君はなにも知らず
二人が結ばれる日を夢みて
笑顔でぼくらを迎える
ぼくは君の笑顔が悲しい
「お嫁に行く日、きっとお父さんは泣くと思う
だって、こんなに夜、昼なく看病してくれるんだもん」
僕等の結婚式は、1月15日だった
でも、彼女は永遠にお嫁に行くことはない
目の前には死が待っている

父親は、娘の言葉で廊下に出た
娘には涙を見せられなかった
それは医者の指示だった

「これから
これからだという時に
あの子がかわいそうで・・・・」
父親とぼくは手を取り合って泣いた
そして
その日に注文の花嫁衣装が納品された
それはETSUKOが生きてまとうことのない花嫁衣裳
母親は、それを抱きしめて泣き続けた

(この詩を書いた3日後、医師の十余時間に及ぶ必死の手術のかいもなく彼女は、国立京都病院でこの世を去った。
時12月10日、満19才、病名 脳腫瘍
ショックで母親は病気になり、ETSUKOの後を追うように翌年6月の末に死去。
ETSUKOの葬儀の日、彼女は花嫁衣裳をまとって棺の中で眠っていた
ETSUKOの棺が霊柩車に運ばれるとき、棺にしがみついて離れようとせず泣き続け、いつまでも霊柩車が出発できなかった。
親類の方々が無理矢理母親を棺から引き離し車は出発したが
母親の叫び声は、いつまでも続いていた。
あの日のことは、葬儀に参列していた人は誰一人忘れられないと思う。

【Write-Up】文芸サイト応援マガジン 第55号 2002年1月26日発行


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